長野県の野菜摂取量は、いまも全国トップクラスだ。ただし「男女ともに1位」ではない。厚生労働省が2025年12月に公表した令和6年国民健康・栄養調査によると、都道府県別の野菜摂取量で全国1位なのは、女性は長野県、男性は福島県だった。そして長野県の女性は、食塩摂取量でも全国トップ集団に入っている。

長野の野菜「1位」は、女性だけの称号になっていた

20歳以上の1日あたり野菜摂取量(年齢調整値)を都道府県別に見ると、女性は長野県が322gで全国1位、2位の福島県297gを25g引き離している。男性は福島県が356gで1位、長野県は313gで2位だった。平成28年(2016年)の調査では、長野県が男女ともに全国1位だった。今回はその一角が福島県に替わり、「長野の野菜は日本一」という評判は、正確には女性の話になっている。

食塩も、女性はいまも全国トップ集団に入っている

食塩摂取量(年齢調整値)を都道府県別に見ると、長野県の女性は9.8gで、宮城県・秋田県と並び全国1位タイだった。男性は11.0gで、全国平均10.5gより高いものの、1位の山梨県・秋田県11.7gからは離れた中位グループにとどまる。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」は、成人の食塩摂取量の目標量を男性7.5g未満・女性6.5g未満と示している。長野県女性の9.8gは、この目標量の1.5倍にあたる。

野菜と塩は、同じ台所から生まれている

同じ長野の食を扱った記事としては、ぴんころ地蔵の記事佐久市の健康都市構想の記事もある。あちらは信仰の物語、こちらは行政の設計図で、今回は食卓の統計の話になる。

野菜と塩が同じ食卓に同居している理由を、私はこう見ている。信州の食卓には、野沢菜をはじめとした漬物や味噌汁が根強く残っている。漬物も味噌も、野菜を保存食に変える知恵であると同時に、塩を運ぶ乗り物でもある。つまり野菜をたくさん食べる文化と、塩分を多く使う文化は、同じ台所から生まれている。長野県は平均寿命でも全国上位の常連だ(令和2年都道府県別生命表:男性2位・女性4位)。だからといって、食卓のすべての数字が模範解答というわけではない。

自分の食卓にも、同じ物差しを当ててみる

長野の数字から持ち帰れるのは、減塩のすすめそのものではない。強みと弱点を、同じ物差しで見るという視点だ。野菜摂取量ランキングだけを見れば長野の食卓は満点に見えるし、食塩摂取量ランキングだけを見れば課題を抱えているように見える。だから、片方の表だけで一喜一憂しないほうがいい。自分の食卓も、良いところと気になるところを、同じ調子で並べてみてはどうだろう。

  1. 厚生労働省の食塩摂取量の目標量(成人男性7.5g未満・女性6.5g未満)を、一度メモしておく。
  2. 自分の食卓についても、良い点と気になる点の両方を書き出しておく。野菜の量だけ、塩分の量だけで判断しない。
  3. 今日の食事に、野菜料理と塩気の強い料理(漬物・汁物・佃煮など)がいくつ並んでいるか、数えてみる。

食塩の目安量は持病や年齢によって変わるので、気になる人はかかりつけ医や管理栄養士に確認すると安心だ。

出典